離婚の話し合いは両家の親を交えるべき? 同席する際の注意点

2025年05月07日
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離婚の話し合いは両家の親を交えるべき? 同席する際の注意点

離婚をする際には、夫婦による話し合いが必要になりますが、その際、両家の親を交えて話し合いをするケースもあります。

第三者がいることで冷静に話し合いを進められるなどの効果が期待できますが、他方、両家の親を交えることによって複雑化してしまうケースもありますので、両家の親を交えるかどうかは慎重に判断すべきでしょう。

今回は、離婚の話し合いで両家の親を交えるメリット・デメリット、注意点、弁護士を交えるメリットなどについて、ベリーベスト法律事務所 銀座オフィスの弁護士が解説します。


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1、離婚の話し合いに両家の親を同席させる必要はある?

そもそも、離婚の話し合いに両家の親を同席させる必要があるのでしょうか。

  1. (1)両家の親の同席は法律上の義務ではない

    離婚問題は、夫婦で解決すべき問題ですので、離婚の話し合いは原則として夫婦二人で行うのが原則です

    法律上も、離婚の話し合いに両家の親が同席しなければならないという定めはありませんので、両家の親を除いて話し合いをしたからといって法的問題が生じることはありません。

  2. (2)調停の話し合いでは原則として同席できない

    夫婦の話し合いでは離婚の合意に至らなかったときは、家庭裁判所に離婚調停の申立てを行います。離婚調停では、原則として当事者以外の参加は認められませんので、両家の親であったとしても、離婚調停に同席することはできません

    ただし、当事者が精神的に不安定で、父母などの親族がいないと調停の進行が困難であるなどの事情がある場合には、例外的に親族の同席が認められることもあります。これは、あくまでも例外的なケースですので、基本的には同席はできないと考えておきましょう。

2、親や友人を同席させて話し合うメリットとデメリット

離婚の話し合いに両家の親や友人を同席させて話し合いをすると、以下のようなメリット・デメリットがあります。

  1. (1)親や友人を同席させるメリット

    両家の親や友人を同席させるメリットは、以下のとおりです。

    1. ① 冷静な話し合いができる
      夫婦だけで話し合いをするとどうしても感情的になってしまうことがあります。
      しかし、両家の親や友人が離婚の話し合いに参加してくれれば、第三者の目がありますので、お互いに冷静に話し合いを進められることが期待できます。

    2. ② 心強い味方になってくれる
      夫婦の力関係に差がある状況だと相手の言い分に流される、相手に遠慮するなど、自分の意見が言えないことがあります。
      しかし、両家の親や友人が話し合いに参加してくれれば、心強い味方になってくれますので自分の意見をしっかりと主張できる可能性が高まります。特に、離婚原因がDVやモラハラである場合には、第三者が同席してくれた方が安心といえるでしょう。

    3. ③ 客観的な意見を述べてもらえる
      夫婦二人だけの話し合いでは、お互いが自分の主張に固執してしまい、話し合いが硬直化してしまうことがあります。
      そのような場合に両家の親や友人がいれば、客観的な第三者としての意見を述べてもらうことができますので、お互いに譲歩しやすい状況になるでしょう。
  2. (2)親や友人を同席させるデメリット

    両家の親や友人を同席させるデメリットは、以下のとおりです。

    1. ① 離婚問題がこじれてしまう
      両家の親が離婚の話し合いに同席すると、夫婦の離婚問題がいつの間にか両家の問題にすり替わってしまい、離婚問題がこじれてしまうリスクがあります。親は、どうしても自分の子どもの味方をしがちです。お互いに自分の子どもを擁護するとことで状況がますます悪化してしまうリスクがあります。

    2. ② 第三者がいることで言いたいことが言えない
      離婚問題には夫婦のプライベートな問題も多く含まれています。夫婦以外の第三者には聞かれたくないような内容が含まれている場合、第三者が同席することで言いたいことが言えない状況になってしまうこともあります。
      また、第三者に夫婦のプライベートな事柄を聞かれてしまうと、それが周囲に漏れてしまうリスクもあります。

    3. ③ 法的に誤ったアドバイスをしてしまう
      両家の親や友人は、法律の専門家ではありませんので、正しいと思って意見をした内容が、実は法的には誤ったアドバイスであることがあります。このような誤ったアドバイスに従って離婚の話し合いを進めてしまうと、将来のトラブルの原因にもなりますので注意が必要です。
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3、第三者が同席するケースにおけるスムーズな話し合いの進め方

以下では、第三者が離婚の話し合いに同席するケースにおけるスムーズな話し合いの進め方のコツを紹介します。

  1. (1)話し合いの場所はファミレスなど他人の目がある場所にする

    第三者に離婚の話し合いに同席してもらうことになったとしても、その人は完全な第三者というわけではありません。親や友人であれば基本的には同席を頼んだ人の味方をしますので、話し合いに参加する人が増えることでよりトラブルが生じるリスクが高くなることもあります。

    そのため、話し合いの場所は、ファミリーレストランやホテルのラウンジなど他人の目のある場所で行うのが安全です。そのような場所であれば、感情的になり大声で怒鳴り合うなどの事態を回避できるでしょう。

  2. (2)話が脱線しないようにコントロールする

    離婚の話し合いに第三者が参加すると、第三者の意見に引っ張られてどうしても話が脱線してしまいがちです。離婚問題は、基本的には夫婦が話し合って決める事柄になりますので、第三者に同席してもらうとしても、できる限り口出しをしないよう事前に伝えておくとよいでしょう。

  3. (3)感情論にならないようにする

    親や友人は、同席を頼んだ方の味方をしたい気持ちが強いことが多いでしょう。

    そのため、相手の意見を強く否定したり、罵倒したりするなど感情的な物言いになることがあります。お互いにヒートアップした状況では、冷静な話し合いを行うことができません。
    冷静な話し合いができる人を選んで依頼するよう気を付けましょう。

4、もめそうなときは弁護士に依頼を

夫婦だけでは離婚の話し合いがもめそうなときは、両家の親や友人に同席を頼むのではなく、弁護士に依頼するのがおすすめです

  1. (1)弁護士が介入することで理論的に話が進められる可能性が高まる

    当事者だけでは感情的になってしまう話し合いでも、弁護士が介入すれば、冷静に離婚の話し合いを進められる可能性が高くなります。

    弁護士は、お互いの言い分をしっかりと整理した上で、理論的な話し合いを行えるようサポートします。また、相手も弁護士がいることで理不尽な要求を控え、親や友人の同席では得られない効果が期待できるでしょう。

  2. (2)法的観点から適正な離婚条件を提示できる

    離婚をする際には、離婚だけではなく、親権、養育費、面会交流、慰謝料、財産分与、年金分割などの条件を決めていかなければなりません。

    これらの条件を決める際には、法的知識や経験がなければ適正な条件を定めることができませんので、知識や経験に乏しい当事者だけで取り決めるのはリスクがあります。

    弁護士に依頼すれば、法的観点から適正な離婚条件を提示することができ、有利な離婚条件で離婚できる可能性が高くなります。親や友人では、相手から提示された離婚条件が適正なものであるか判断できませんので、離婚の話し合いは弁護士に同席してもらうのがおすすめです。

  3. (3)守秘義務によりプライバシーが守られる

    離婚の話し合いは、夫婦のプライベートな事柄を取り扱います。親や友人の前でそのようなプライベートな事柄を話してしまうと、第三者に情報が拡散してしまうおそれがあります。

    しかし、弁護士であれば守秘義務がありますので、夫婦の話し合いで出てきたプライベートな事柄に関して外部に漏れる心配は一切ありません。夫婦間のプライバシーを守るためにも離婚問題は弁護士に依頼するのがおすすめです。

  4. (4)本人の代理人として弁護士が対応することができる

    親や友人では同席を離婚問題の話し合いの場に同席してもらうことはできますが、自分の代わりに離婚の話し合いを進めてもらうことはできません。

    しかし、弁護士であれば代理で相手と話し合いをすることができます。自分で話し合いをすることが難しい場合は、弁護士に依頼して精神的な負担を軽減することも検討しましょう。弁護士は、必要に応じて調停や訴訟の手続きまで対応が可能なため、最後まで安心して任せることができます。

5、まとめ

夫婦の離婚問題に両家の親を同席させて話し合いをすることがあります。第三者がいることで冷静に話し合いを進められるというメリットがありますが、法律の専門家でない第三者が同席すると余計なトラブルを招くリスクもありますので注意が必要です。

このようなリスクを回避するためにも離婚問題は、弁護士に依頼するのがおすすめです。離婚の話し合いを自分だけで対応するのが不安だという方は、離婚問題の解決実績があるベリーベスト法律事務所 銀座オフィスまでお気軽にご相談ください。

  • この記事は公開日時点の法律をもとに執筆しています