虚偽広告とは? 誇大広告との違いや法律規制・罰則規定を解説

2026年03月26日
  • 一般企業法務
  • 虚偽広告
虚偽広告とは? 誇大広告との違いや法律規制・罰則規定を解説

広告担当者として効果的な広告を出したい一方で、虚偽広告にあたらないか、違法にならないかと不安になっている方もいらっしゃるのではないでしょうか。

最近の事例では、太陽光発電機器の販売会社が自社サイトに掲載した「No.1表示」が、客観的な調査によるものではなかったとして問題になりました。令和6年2月に消費者庁から再発防止の措置命令が出され、令和7年6月には9989万円の課徴金納付が命じられました。

本コラムでは、虚偽広告の概要や規制対象となる範囲・罰則などについて、ベリーベスト法律事務所 銀座オフィスの弁護士が解説します。

1、虚偽広告とは? 誇大広告との違い

そもそも虚偽広告とは、具体的にどのような広告を指すのでしょうか。また、「誇大広告」とはどのような違いがあるのでしょうか。

以下では、まず虚偽広告の概要を解説したうえで、誇大広告との違いを整理していきます。

  1. (1)虚偽広告とは?

    虚偽広告とは、事実と異なる嘘の内容を表示した広告です

    たとえば、「飲むだけで5kg痩せる」といった広告内容に科学的根拠や実績がなければ、それは虚偽広告になり得ます。

    広告を出す際は、消費者に誤解を与えることがないように、景品表示法などの法律で定められたルールを守らなければなりません。

    違法な虚偽広告を公開した場合、行政処分や刑事処分などのペナルティが科されるおそれもあるため注意が必要です。

  2. (2)虚偽広告と誇大広告の違い

    虚偽広告と誇大広告の違いは、主に「表示内容に事実が含まれるかどうか」にあります。

    誇大広告とは、商品やサービスを実際の内容や効果・性能よりもよいものであるかのように誤認させる表現を用いた広告です。

    たとえば、一定の効果が見込める商品であったとしても、「100%効果がある」などの断定的表現を使うと誇大広告に該当します。

    一方で、根拠となるデータが存在しないのに「100%効果がある」と記載すれば、事実と反する虚偽広告とみなされるでしょう。

2、虚偽広告の配信は違法行為? 規制対象となる範囲や罰則

虚偽広告の配信は違法行為に該当し、企業には厳しい罰則や行政処分が科される可能性があります。以下では、広告表示に関係する主な法律と規制範囲、罰則について確認していきましょう。

  1. (1)広告表示が問題になる法律

    広告表示が問題となる場合、以下のような複数の法律が関係します。

    広告表示が問題になる法律
    • 景品表示法(不当景品類及び不当表示防止法)
    • 薬機法(医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律)
    • 健康増進法
    • 特定商取引法
    • 刑法、消費者契約法、不正競争防止法
    など


    これらの法律は、それぞれ対象とする商品や広告内容に応じて適用されます。たとえば、健康食品の広告では「景表法」「薬機法」「健康増進法」が同時にかかわるケースもあるでしょう。

    広告の種類を問わず、消費者に誤認を与える表示は違法となる可能性があるため、チェック体制を整えておくことが重要です

  2. (2)景表法の規制

    景品表示法(景表法)では、広告において商品・サービスを実際よりも著しく優良・有利に見せかける表示を禁止しています。広告規制のポイントとなるのは、主に「優良誤認表示」と「有利誤認表示」のふたつです。

    優良誤認表示 実際より著しく品質・性能などが優れていると誤認させる表示
    有利誤認表示 価格や取引条件などについて、実際よりも著しく有利と誤認させる表示

    たとえば、「科学的根拠のないダイエット効果の表示」や「あたかも自社が一番安いと偽る表示」などは、典型的な違反例です。

    外部からの情報提供などによる調査で景表法違反が発覚した場合、措置命令や課徴金納付命令などが下されます。措置命令は表示の取り消しや再発防止の命令、課徴金納付命令は事業者に対して国庫への金銭支払い命令を下す行政処分です。

    また、令和5年の景表法改正により、優良誤認表示や有利誤認表示に対する「直罰規定」が導入されました。これによって、違反行為をした場合は措置命令などを経なくても、100万円以下の罰金の対象となります

  3. (3)薬機法の規制

    薬機法では、医薬品・医薬部外品・化粧品・医療機器などの効果や効能に関して、広告表記に制限を設けています。主な規制内容は、以下のとおりです。

    • 虚偽または誇大広告の禁止
    • 特定疾病用の医薬品や再生医療等製品の広告制限
    • 未承認の医薬品、医療機器、再生医療等製品の効能表示禁止


    薬機法のポイントは、「医薬品的効能」を示す表現は、医薬品として正式に承認されたものでなければ使えない点です。たとえば、医薬品の承認を受けていないクリームの場合、「アトピーが治る」「じんましんに効く」といった表示はできません。

    薬機法の広告規制に違反した場合は、措置命令や課徴金納付命令といった行政処分の対象となりますまた、刑事罰として2年以下の拘禁刑または200万円以下の罰金、もしくはその両方が科される可能性もあります

  4. (4)健康増進法の規制

    健康増進法は、国民の健康の保持・増進を目的とした法律です。健康増進法では、食品の健康保持増進効果などについて、「著しく事実と異なる表示や誤認させる広告表示」を禁止しています。

    たとえば、「虫歯を防ぐ」「血圧が下がる」といった事実に基づかない表現を用いると、違法と判断されるおそれがあります。

    しかし、健康増進法では特定の言葉や表現が禁止されているわけではありません。したがって、違反にあたるかどうかは広告全体の内容から個別に判断されることになるでしょう。

    広告が健康増進法に違反すると判断された場合、厚生労働大臣から該当表示に対する措置勧告や措置命令が下されますこの命令に従わなかった場合、6か月以下の拘禁刑または100万円以下の罰金が適用されます

  5. (5)特商法の規制

    特定商取引法(特商法)は、訪問販売や通信販売など特定の商取引におけるトラブルを防ぐための法律です。特商法では、以下のような広告規制が設けられています。

    • 販売価格、支払い時期、返品条件などの重要事項の表示義務(通信販売の広告)
    • 著しく事実と異なる表示や誤認させるような表示の禁止
    • 承認を得ていない消費者への電子メール広告やファクシミリ広告の禁止


    たとえば、ECサイトで「定価1万円→今だけ5000円」の広告を出したとしましょう。この場合、1万円で販売していた実績がなければ、有利誤認表示として景表法とあわせて規制されるおそれがあります。

    違反があった場合は、業務改善指示や業務停止・禁止命令などの行政処分が下されますこの命令に従わなかった場合、3年以下の拘禁刑または300万円以下の罰金、もしくはその両方が科される可能性もあるため注意が必要です

3、広告配信について弁護士に相談するメリット

広告表現が法令に抵触しているかどうかの判断は、専門知識が求められる領域です。自己判断だけで進めると、問題点に気づけないまま違法広告を配信してしまうリスクがあります。

こうしたリスクを未然に防ぐためには、広告作成の段階から弁護士に相談することが有効です。弁護士に相談するメリットとして、以下の3つが挙げられます。

  1. (1)広告の法的リスクを事前に回避できる

    弁護士に広告内容の確認を依頼することで、法令違反に該当する表現や、リスクの高い表記を早期に是正できます

    広告では、「No.1表記」や「医療的効果」など、効果的ではあるものの規制対象とみなされる表現も少なくありません。

    弁護士は、景表法・薬機法・特商法など複数の法令に照らして、表示リスクを総合的に判断できます。実績のある弁護士であれば、過去の行政指導例や措置命令事例に基づいた実務的なアドバイスも可能です。

  2. (2)トラブルが発生した場合にも適切に対応できる

    仮に広告表示が原因で行政処分や訴訟といったトラブルが発生した場合でも、弁護士がいればスムーズに法的対応を進められます。特に以下のような場面では、弁護士のサポートが有効です。

    • 消費者庁や都道府県などからの調査対応
    • 措置命令や課徴金処分への対応
    • 消費者や取引先との交渉・和解対応
    • 誹謗中傷や風評被害への対応


    初動対応を誤るとトラブルが重大化したり、企業の信頼が長期にわたり損なわれたりする可能性があります。弁護士が間に入ることで、法的根拠に基づいた対応が可能となり、企業のダメージを最小限に抑えられるでしょう。

  3. (3)継続的な広告運用体制を構築できる

    顧問弁護士制度を利用すれば、リスクを予防しながら広告活動を持続可能にする体制が構築できます。具体的には、次のような取り組みが可能です。

    • 社内ガイドラインやチェックリストの整備
    • 社員向けの法令順守研修の実施
    • 広告表現のリーガルチェック
    • 法改正への対応サポート


    広告法務の実績豊富な弁護士を顧問にもつことで、属人的な判断に頼らない体制を構築できます。これにより、企業の成長とともに広告表現の品質・信頼性も高められるでしょう。

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4、まとめ

虚偽広告は、景品表示法や薬機法をはじめとした複数の法律によって厳しく規制されている違法行為です。ルールを把握できていないまま違反してしまうと、行政処分や刑事処分・社会的信用の低下といった大きなリスクが伴います。

広告担当者としては、法律に抵触しない広告表現を心がけ、曖昧な表現や効果を示す文言については慎重に判断する必要があります。広告のチェックにおいては法律の専門知識が求められる場面も多いため、不安がある場合は弁護士に相談することがおすすめです。

リスクを事前に回避し、トラブル時に適切な対応を行うためにも、ぜひベリーベスト法律事務所 銀座オフィスの弁護士にご相談ください

  • この記事は公開日時点の法律をもとに執筆しています