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相続における基礎控除とは? 基本の計算方法と考え方

2023年11月01日
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相続における基礎控除とは? 基本の計算方法と考え方

被相続人が死亡して相続が発生すると、相続財産の種類や金額に応じて相続税が課税されることになります。

高額な遺産を相続することになれば、高額な相続税も納めなければなりません。その一方で相続税には基礎控除がありますので、相続財産の総額が基礎控除の範囲内であれば相続税の申告は不要です。

これから遺産を相続する予定の方は、遺産相続の方法や手続きとともに、相続税に関しても理解しておくことが大切です。本コラムでは、相続における基礎控除の計算方法と考え方について、ベリーベスト法律事務所 銀座オフィスの弁護士が解説します。

1、相続税の申告が不要なケースと必要なケース

相続が発生したとしても、すべての事案で相続税の申告が必要になるわけではありません。

まず、相続税の申告が不要になる場合と必要になる場合について、それぞれ解説します。

  1. (1)相続税の申告が不要なケース

    相続によって預貯金や不動産、有価証券などの遺産を相続することになったとしても、相続財産の総額が相続税の基礎控除の範囲内であれば、相続税は課税されません。
    課税されない以上は、相続税の申告も不要となります。

    相続税の基礎控除の金額や計算方法の詳細は後述しますが、相続が発生した場合には、まずは相続財産の総額が基礎控除の範囲内であるかどうかを確認することが大切です

    なお、相続税の基礎控除を超えていたとしても、相続税の控除制度を利用することによって相続税額が0円になるような場合には、相続税の申告は不要となります。
    具体的には、以下のようなケースが該当します。

    • 障害者控除を利用して相続税額がゼロになるケース
    • 未成年者控除を利用して相続税額がゼロになるケース
    • 相次相続控除を利用して相続税額がゼロになるケース
  2. (2)相続税の申告が必要なケース

    上記のような例外的なケースを除き、相続財産が相続税の基礎控除を上回る場合には、原則として相続税の申告が必要になります
    相続税の基礎控除は、相続税の金額を計算するだけでなく、相続税申告の有無を判断する際にも利用されるメルクマールにもなります。

    なお、相続税の控除制度を利用して相続税額がゼロになる場合であっても、以下のようなケースでは相続税の申告が必要になります。

    • 配偶者控除を利用するケース
    • 小規模宅地等の特例を利用するケース
    • 農地の納税猶予の特例を利用するケース
    • 寄付金控除を利用するケース

2、相続税の基礎控除を計算する方法

相続税の基礎控除を計算するための計算式は、以下の通りです。

3000万円+(600万円×法定相続人の数)


基礎控除の計算で用いる法定相続人の考え方については後ほど詳しく説明しますが、例えば、被相続人が死亡して、相続人が配偶者・長男・長女の3人であった場合には、相続税の基礎控除額は、「3000万円+(600万円×3人)」という計算により、4800万円となります。すなわち、相続財産の総額が4800万円までであれば、相続税が課税されず、相続税の申告も不要になるのです。

なお、相続税の基礎控除額の計算式が上記のようになったのは、平成27年1月からです。
それ以前は、相続税の基礎控除額は「5000万円×(1000万円×法定相続人の数)」という計算式で計算されていました。
したがって、税制改正によって、それまでは相続税の申告および納税が不要だった方も申告および納税が必要とされるようになったのです。

3、計算のポイントとなる法定相続人とは

「法定相続人」とは、民法で定められている遺産を相続する権利のある人のことをいいます。

民法では、法定相続人の範囲および順位を以下のように定めています。

  • ① 配偶者(常に相続人になる)
  • ② 子どもや孫(第1順位の相続人)
  • ③ 父母や祖父母(第2順位の相続人)
  • ④ 兄弟姉妹や甥姪(第3順位の相続人)


配偶者は「常に相続人となる」と定められているため、他に第1順位から第3順位までの相続人がいたとしても、相続人になることが可能です。
ただし、ここでいう「配偶者」は法律上の配偶者に限られているため、内縁の配偶者が法定相続人になることはできません。ただし、内縁の配偶者であっても手続きの方法によっては特別縁故者として財産を取得できる場合があるので、詳しくは弁護士にご確認ください。

第2順位から第3順位までの相続人は、先順位の相続人がいない場合に限り、相続人になることができます。
例えば、被相続人に子どもがいる場合には、父母や兄弟姉妹は相続人にはなれません。
また、子どもがおらず父母が相続人にあたる場合には、兄弟姉妹は相続人になれません。

相続が発生した場合には、上記の考えにしたがって法定相続人を確定して、相続税の基礎控除の計算を行いましょう。

4、基礎控除を考えるうえでの注意点

以下では、相続税の基礎控除の計算をする際に注意すべき点を解説します。

  1. (1)養子縁組

    相続税の基礎控除額は法定相続人の数に応じて増えていくことから、相続税の負担を軽減するために養子縁組を行う方もおられます。
    養子縁組によって養子になった人は、実子と同様に第1順位の相続人になることができますので、養子縁組は相続税対策として実際に有効な手段といえます。

    ただし、相続税の基礎控除額を計算するときの法定相続人に含めることができる養子の人数には制限がある点に、注意が必要となります。
    具体的には、相続税法では、被相続人に実子がいるかどうかに応じて以下のような制限が設けられているのです。

    • 被相続人に実子がいる場合:法定相続人に含めることができる養子は1人まで
    • 被相続人に実子がいない場合:法定相続人に含めることができる養子は2人まで


    民法上は、養子縁組できる養子の人数に制限は設けられていませんので、上限なく養子に遺産を相続させることができます。
    しかし、税法上は上記のような上限が設けられているため、上限を超えて養子縁組をしたとしても、節税効果は得られないことに注意しましょう。

  2. (2)相続欠格・廃除

    相続欠格とは、相続人が民法891条の相続欠格事由に該当する行為をした場合に、当然に当該相続人の相続権が喪失する制度のことをいいます。

    民法891条では、被相続人や相続人の殺害、遺言の妨害など相続に関する重大な非行や犯罪行為を相続欠格事由として定めています。
    このような相続欠格事由に該当する場合には、相続人としての権利が失われるため、相続税の基礎控除を計算する際の「法定相続人」からも除外されるのです。

    相続廃除とは、被相続人への虐待、重大な侮辱などの著しい非行をした相続人がいる場合に、被相続人の意思によって当該相続人の相続権を奪う制度のことをいいます(民法893条)。
    相続廃除は、相続欠格のように一定の事由に該当すれば当然に相続権がなくなる制度ではないため、相続廃除をするためには家庭裁判所での手続きが必要になります。
    家庭裁判所で相続廃除が認められれば、当該相続人の相続権は失われるため、相続税の基礎控除を計算する際の「法定相続人」からも除外されることになるのです。

  3. (3)相続放棄

    相続放棄とは、家庭裁判所に相続放棄の申述をすることによって、相続に関する一切の権利を放棄することができる手続きです(民法940条)。
    主に、被相続人に多額の借金がある場合などに利用されます。

    相続放棄をした場合には、初めから相続人でなかったものとみなされますが、相続税の基礎控除の計算の際の「法定相続人」には含まれます。
    この点については、相続欠格や相続廃除とは扱いが異なることに注意してください。

  4. (4)代襲相続

    代襲相続とは、本来相続人になるはずの人が被相続人よりも前に死亡するなどしていた場合に、被相続人の孫やひ孫が代わりに相続する制度のことをいいます。

    例えば、被相続人に子どもがいて、子どもが被相続人よりも前に亡くなっていた場合には、子どもの子どもすなわち被相続人の孫が代襲相続人になり、遺産を相続することができます。
    代襲相続人は、相続税の基礎控除の計算の際の「法定相続人」に含まれるため、代襲相続人が複数いる場合には代襲相続によって相続税の基礎控除額が増えることもあります。

5、まとめ

相続財産が相続税の基礎控除の範囲内であれば相続税の申告および納税は不要となりますが、基礎控除を超える場合には申告および納税が必要になってきます。
相続が発生した場合には、続税の申告期限までに遺産分割を終える必要がありますが、相続人同士で争いがある場合には、スムーズに遺産分割の手続きを進めることができない可能性もあります
そのような場合には、専門家である弁護士にご相談ください。

弁護士に依頼すれば、法的観点から適切な遺産分割案を提案することができるため、他の相続人の納得を得やすくなるでしょう。

また、ベリーベスト法律事務所には税理士も在籍しているため、相続税の申告が必要な事案にもワンストップサービスで対応いたします。
遺産相続でお困りの方は、まずは、ベリーベスト法律事務所 銀座オフィスまでお気軽にご相談ください

  • この記事は公開日時点の法律をもとに執筆しています

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